計算コラム

(79) はずれ馬券は経費か?2015/ 6/1

大阪市の男性はインターネットと予想ソフトを使い3年間に28.7億円の馬券を購入し払戻金30.1億円を得た。その男性と国税当局が争っていた「はずれ馬券裁判」に今年3月に最高裁判決が下った。争点は、はずれ馬券を経費に認めない一時所得か、認める雑所得かであった。所得区分の違いで所得税が5.7億円か0.5億円かの大きな違いとなり、大変興味深い。この裁判では、「独自の条件を設定しほぼ全レースを購入した記録が残っていた」との理由で、払戻金は営利目的の雑所得にあたると判断され、大阪男性側が勝訴した。ところが5月の東京地裁の類似したはずれ馬券裁判では、経費として認めない判決が下った。渦中の北海道男性は5年間で72.7億の馬券を購入し78.4億の払戻金を得て、雑所得として確定申告した。だが国税当局は一時所得だとして1.94億円を追徴した。東京地裁は「自分で予想して購入額を決め馬券購入履歴が保存されてない」を理由に男性の請求を棄却した。馬券の払戻金を次の馬券購入に充てトータルで利益を追求するのは自然な行為と感じる。所得税の見解の差で、一個人の支払い能力を超え破滅へと追いやる。憲法の基本的人権(生存権)では「すべての国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」が保障されている。何か矛盾を感じる。アメリカでは、はずれ馬券は払戻金にみつるまで経費として認められているそうだ。
関連リンク
[1] 所得税法違反被告事件(裁判所ウェブサイト)
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