計算コラム

(57) 翻弄される冥王星

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2012/12/13
1915年米天文台のローウェルが海王星軌道を乱す未知の惑星Xの位置を予測した。弟子のトンボーが1930年に惑星Xを発見。アメリカの初発見となる惑星は冥王星(Pluto)と命名され、一大ブームを巻き起こす。冥王星軌道は公転周期248年の歪んだ楕円で、接近する近日点は1984年。冥王星の接近と観測技術の進化により、冥王星の約半分の半径を持つ大衛星カロンが発見される。ハッブル宇宙望遠鏡が稼動すると海王星軌道外のカイパーベルト帯に次々と小天体が見つかる。2003年には冥王星より大きな天体エリスが発見され、小天体の総数は1000を超える。そうなると冥王星もその一員にすぎなくなる。ついに2006年IAU総会は冥王星を準惑星に降格した。おりしも冥王星予測から100年後となる2015年7月14日に米探査機ニューホライズンズが冥王星に最接近(約14000km)する。太陽系の果てから伝送される冥王星の鮮明写真により、一大ブームが再来することだろう。
関連リンク
[1]惑星の位置計算