計算コラム

(97) 南海トラフ巨大地震

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2019/10/25
 日本中を震撼させた東日本大震災から早8年7ケ月余り。甚大な被害をもたらしたが、南海トラフ巨大地震の想定震源域の海底では、今でもプレートが年に最大6センチ移動している。
 場所は静岡県から宮崎県にかけての広い地域(図1)。海側のプレートが陸側プレートの下に沈み込み、たまった「ひずみ」が限界に達すると、固着域がはがれて陸側のプレートが一気に跳ね上る。こうして起こるのが南海トラフ巨大地震である。
 内閣府の資料によると、地震の規模はM8-M9クラスで、広い地域で10mを超える大津波が予想され、死者数は最大で32万人、経済的損失は220兆円、今後30年での発生確率は70~80%と想定される。
 一方、内閣府の最新データ(2019年5月に発表)では、建築物の耐震化が進み、津波に対する避難意識が向上したことで、死者数が3割減、全壊または焼失建物は1割減という予想がでている。
 被害を減らすために、今後も事前の対策や、避難に関する知識を持つことを期待したい。

図1:南海トラフ想定震源域
出典:気象庁ホームページ
関連リンク
[1]地震エネルギー
[2]津波の伝播速度
[3]内閣府:南海トラフ地震防災対策推進基本計画