計算コラム

(91) 50個目のメルセンヌ素数

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2018/ 5/30
 素数は、「1と自分自身以外に約数がない自然数」である。素数の性質の1つとして、桁数が大きい素数同士の乗算で出来た数の素因数分解が難解である性質から、 日常においても、クレジットカードなどの暗号化に利用されていることは以前のコラム(No.71)でも取り上げた。
今回は素数の中でも特殊なメルセンヌ素数を取り上げる。メルセンヌ素数は
  2p - 1
の形で表される素数である。例えば、
  22 - 1 = 3
  23 - 1 = 7
  25 - 1 = 31
  ・・・
のような素数である。2016年までに49個のメルセンヌ素数が発見されていたが、 2017年12月に史上最大の素数である、50個目のメルセンヌ素数がGIMPS[1]によって発見された。
  277232917 - 1
で表される素数であり、その桁数はなんと10進表記で2324万9425桁に及ぶ。 GIMPSによると、"次は1億桁のメルセンヌ素数を見つけることを目標とする"とのことだ。[2] 素数には現代でも解明されていないことが多く、このメルセンヌ素数についても、無数に存在するかどうかさえも分かっていない。 もし、素数に関する様々なことが明らかになっていき、例えば"高速な素因数分解の手法"が編み出されたら、 現代の暗号システムが崩壊し、日常生活に多大な影響を及ぼすかもしれない。

関連リンク
[1] Great Internet Mersenne Prime Search  
[2] M77232917(Great Internet Mersenne Prime Search)  
[3] 素因数分解(計算ライブラリー)