計算コラム

(76) 昔の日本に羊はいた?

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2014/12/25
2015年の干支は未(ひつじ)。「昔の日本に羊はいた?」との疑問が沸く。同じく干支の架空動物である辰は古来から龍神話として馴染み深いが、羊は神話にも現れず桃太郎などの昔話にも登場しない。一方西洋では羊は旧約聖書、新約聖書の中で「神への生贄、迷える羊」など宗教の象徴として扱われ、最も馴染み深い動物である。日本では西洋との交流が始まった明治から羊が飼育され、毛織物が重要な産業となった。戦後は化学繊維に変わり羊の数も激減した。ところで羊が最も多くいる国はオーストラリアかと思われるが、調べると意外に中国がダントツで一番だ。日本は1万頭そこそこで動物園や観光牧場などでしか見られない。そもそも干支は中国の殷の時代に始まり日本をはじめ東洋に伝播した。力強い辰は日本の神話に入り込んだが、弱々しい羊は日本の湿潤な気候に適せず日本文化に取り込まれなかったと思われる。
関連リンク
[1]干支計算
[2]羊の頭数の多い国(外務省)