計算コラム

(62) 日付変更線制定まで

  • Back
2013/7/2
大航海時代の1549年、イエズス会のフランシスコ・ザビエルはインド経由で日本に渡りキリスト教宣教を開始した。遅れること半世紀、フランシスコ会の宣教師はメキシコ経由で日本に渡り宣教を開始した。ところが厳格に実施される日曜礼拝は、イエズス会とフランシスコ会で1日のずれが発生していた。また1522年に世界一周から戻ったマゼラン一行においても同様な曜日ずれが生じ、スペイン国内で騒動となった。西回りで地球を一周すると昼夜が一日少なく、逆に東回りだと昼夜が一日多くなり、旅立つ前の暦と1日のずれが生じた訳だ。このトリックは1872年に発表された冒険小説『八十日間世界一周』に使われ、多くの読者を魅了した。ところで日付変更線の制定は意外に遅く、1884年の国際子午線会議まで待たされる。このヒット小説が制定の後押しとなったのではと思われる。
関連リンク
[1]UTCからの時差