計算コラム

(102) スーパームーンが救った座礁船

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2021/04/16
 スエズ運河で座礁した巨大コンテナ船が離礁できたのは、スーパームーンが重なったことが一因となったようだ。

 全長400メートル、22万トンの日本の巨大コンテナ船が座礁したのは、先月の23日の事。 船体を移動させる作業は難航を極めた。タグボートのけん引のみでは、びくともしないため、 救助チームはスーパームーンによる潮位の上昇を最大のチャンスと考えた。

 満月や新月の時には干潮と満潮の潮位差は大きくなる。これは太陽と地球と月が一直線上に並び、地球と月のどちらかが真ん中に来る時に起こる現象で、 これによって地球に働く引力が大きくなり、その結果、満潮時には潮位がより高く、干潮時には潮位がより低くなる。

 楕円軌道を描く月が地球に最も接近した時に満月や新月になると、さらに引力が強く働き、大きく明るく見えることから、スーパームーンと呼ばれている。28日から始まるスーパームーンでは、潮位が通常の満潮より約45センチ高くなることが見込まれた。

 離礁に成功した29日は、潮位が最大に近づき始めた日だった。

関連リンク
[1]月と太陽の潮汐力